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一般皮膚疾患 GENERAL

ニキビ

ニキビとは

よく青春のシンボルとも言われるニキビですが、これは尋常性ざ瘡とも呼ばれる皮膚疾患でもあります。男性ホルモンの一種であるアンドロゲン(女性も分泌する)の分泌量というのは、思春期になると多くなります。これが引き金となって皮脂は過剰に分泌され、毛穴は詰まるようになります。すると細菌(アクネ桿菌)は増殖し始め、炎症を起こすようになります。これを一般的にはニキビと言います。発症しやすい部位は、顔面、背中、胸のあたりです。また思春期が過ぎて成人になっても、ストレスや不摂生な生活習慣を続けていることで発症することもあります。

なお皮脂が毛穴に単に詰まっている状態で白いブツブツを白ニキビ、毛穴に詰まった皮脂等が酸化したことで黒くなった状態を黒ニキビ、炎症を引き起こして赤く腫れている状態を赤ニキビと言います。ちなみに赤ニキビが進んだ状態で膿が出ている状態を黄ニキビと言います。この場合、毛穴の周囲の組織まで破壊されていることが多いので、ニキビ痕が発生することもあります。

治療について

炎症が起きている場合は、患部に抗菌薬の外用薬を塗布します。また症状が悪化している場合は、抗菌薬の内服薬を使用します。このほかスキンケアも大切で、1日2回程度は洗顔するなどします。さらに規則正しい生活を続ける、皮膚が刺激を受けやすい化粧品等の使用を控えるなどします。

水虫

水虫とは

正式には足白癬と呼ばれる皮膚疾患です。原因とされる白癬菌はカビの一種で、足に限らず、頭部、股部、手などの部位に発症することもあります。その中で足に白癬菌が感染し、発症している状態を足白癬、一般的には水虫と呼びます。

感染経路としては、サンダルや足拭きマットの共用などが挙げられます。それでも24時間以内に足についた白癬菌を洗い流すことができれば、感染を回避することができるとされています。ただ足に傷があった場合、上記の半分程度の時間で感染することもあります。

主な症状ですが、水虫は大きく3つのタイプに分かれます。ひとつは、足の指の間に発生する趾間型です。これは足の指の間のみに、小さな水疱や赤いただれがみられている状態です。かゆみがみられ、小さな水疱が破れると鱗屑が現れるようになります。2つ目のタイプは、小水疱型と呼ばれるもので、足の指の付け根部分、土踏まず、側縁部に小さな水疱が発生するタイプです。

水疱が発生する際にかゆみが出ることがあります。水疱が破れるとその部分の肌はカサカサし、皮が剥けた状態になります。3つ目は角化型(角質増殖型)です。これは、足の裏(足底)全体が肥厚化した状態で痛みなどの症状はみられません。ただ、かかとに亀裂が生じるなどすると痛みが出ることはあります。なお角化型の発症については、非常に稀とされています。

これらの状態を放置すると、足の指の爪にまで白癬菌が感染し、爪が白濁、変形、脆弱化による崩壊することもあります。これが爪白癬です。

いぼ

いぼとは

一般的に「いぼ」と呼ばれる皮膚のできものの正式名称は、尋常性疣贅です。皮膚の小さな傷口からHPV(ヒトパピローマウイルス)が侵入し、角化細胞に感染することで同細胞が増殖し、乳頭腫がみられている状態を言います。

この場合、手や指、足にできることが多いですが、そのほかの部位でも発生することがあります。いぼの特徴ですが、硬い突起状で表面はざらついていることが多いです。形については円形もあれば、不規則な形のものもあります。大きさに関しては、ほとんどが直径1cm程度のものです。ただ痛みやかゆみなどの自覚症状が出ることは、ほぼないとされています(足の裏に発生するなどして痛みを伴うことはあります)が、ほかの部位に広がる可能性があります。

治療について

良性腫瘍で自覚症状がなくても、見た目や放置によって増える可能性もあることから除去による治療を行うケースがよくあります。

最も一般的とされる治療法が液体窒素療法です。これは、液体窒素に浸した綿棒状のものをいぼに当てることで冷凍し、いぼの組織を壊死させるという内容になります。治療中や治療後に患部に痛みが出るほか、1回で完治するわけではないので、1~2週間の間隔を空けて数回程度は通院する必要があります。そのほか炭酸ガスレーザーによる除去、切除して縫合する手術療法、漢方薬のひとつであるヨクイニンの内服などがあります。

シミ

シミとは

皮膚内で生成されるメラニン色素が沈着し、茶色や褐色などの斑点がみられている状態がシミです。なお一口にシミと言っても、その種類はいくつかありますが、一般的には、紫外線を浴び続ける、あるいは加齢に伴って発生するとされる老人性色素斑(日光黒子)を指すことが多いです。

この場合、紫外線を繰り返し浴び続けることで、メラノサイトが活性化し、メラニン色素を多量に作り出すようになります。それでも若い世代であれば、皮膚が代謝していくことで、同色素も排出されるようになるので、日焼けをしたとしても時間が経過することで何もなかったかのように元に戻るようになります。ただ年をとればとるほど皮膚の代謝は低下します。これによって、皮膚の中でメラニン色素が残るようになって、やがて沈着していくようになります。これが老人性色素斑です。

多くの場合、30代を過ぎたあたりから、数㎝程度の茶色のシミが頬骨付近でみられるようになります。また顔以外にも、腕や手の甲、背中など日が当たりやすい部位にも同様のシミはみられます。これらを予防するには紫外線対策は欠かせません。

治療について

老人性色素斑によるシミで有効とされているのが、レーザーによる治療です。一口にレーザーと言いましても種類はいくつかあります。その中でも当院ではQスイッチアレックスレーザーを使用しての治療を中心に行います。

Qスイッチアレックスレーザーの詳細はこちら

とびひ

とびひとは

正式な疾患名は、伝染性膿痂疹と言います。とびひと聞くと、子どもがよく罹患する皮膚の病気と思われるかもしれませんが、それは常在菌でもある黄色ブドウ球菌が引き金となって発症する水疱性膿痂疹です。

この場合、夏の季節に起きやすく、鼻をいじるなどしてできた傷に同菌が入り込むなどして引き起こされると言われています。この場合、強いかゆみの伴う水疱が顔や手足に発生します。多くは我慢できずに搔き壊しますが、これによって水疱は破れ、その菌がほかの部位につくなどして瞬く間に水疱が全身に広がっていくようになります。この水疱が破れるとただれた皮膚が露出し、やがてかさぶたとなって、次第に剥がれるようになります。このような状態になるまで1週間程度かかるとされています。

またとびひは上記以外にも年齢や季節に関係なく、A群β溶連菌に感染することで、膿胞や厚いかさぶた、疼痛などの症状がみられることがあります。これを痂疲性膿痂疹と言います。

治療について

抗菌薬の内服が中心となりますが、発症の範囲が限られる場合は抗菌薬の外用薬を患部に塗布することもあります。また、かゆみの症状が強ければ、抗ヒスタミン薬も使用します。このほか、皮膚を清潔に保つこと(シャワーで洗い流す、石鹸で洗う 等)も大切です。

やけど

やけどとは

熱傷とも呼ばれますが、熱湯や火、電流など高温なものに皮膚や粘膜が触れてしまうことで起きる損傷した状態のことをやけどと言います。発生直後に速やかに患部を冷やすことが大事とされ、服の上からやけどを負った場合は、そのままの状態で冷やすようにします。少なくとも水道水で20~30分程度は患部を冷やします。このような応急処置をした後に必要であれば医療機関で診察を受けるようにして下さい。

やけどは、皮膚や粘膜の損傷程度から、1度熱傷、2度熱傷、3度熱傷に分類されます。軽度なやけどは1度熱傷で、これは表皮までの範囲で損傷が留まっている状態です。浮腫や紅斑がみられ、ヒリヒリした痛みも現れます。

2度熱傷は、損傷が真皮にまで及んでいる状態になります。その中でも比較的浅ければ浅達性2度熱傷、深い場合は深達性2度熱傷と分類されます。どちらも水疱が発生し、その下はびらん(潰瘍)状態となっています。ただ浅達性は水疱の底が赤く、痛みが強く出るのに対し、深達性の水疱の底は白っぽく、痛みはそれほど強く出ません。ただ治癒に時間がかかるほか、患部が瘢痕になりやすいということがあります。

一番ひどい状態が3度熱傷です。この場合、皮下組織まで損傷がみられ、皮膚の見た目は灰色、黒色、褐色などになっており、硬く乾燥した状態です。水疱が発生することはなく、神経も損傷されているので痛みは出ません。

治療について

症状の程度によって治療内容は異なります。1度熱傷の患者さんは、ステロイド系の外用薬を塗布していきます。2度熱傷の患者さんであれば、ワセリンを塗布し、創傷被覆材を使用します。また感染症予防のための洗浄も行っていきます。3度熱傷は、組織が壊死している(デブリドマン)ので、速やかにそれを除去し、植皮による手術を速やかに行わなくてはなりません。

湿疹

湿疹とは

皮膚が何らかの原因によって炎症し、それによって赤くなる、小さく盛り上がっている、水疱がみられるほか、かゆみの自覚症状等も伴う状態です。原因としては、外的要因(薬剤、化学物質、細菌、ハウスダスト 等)と内的要因(アトピー素因、ストレス、皮膚バリア機能の低下 等)があるとされ、これらが組み合わさるなどすることで起きるのではないかと言われています。

治療について

湿疹の原因で何らかのアレルゲン(アレルギーとなる原因物質)が関係しているのであれば、それを取り除く環境を整えます。皮膚症状を抑える治療としては、ステロイド系などの外用薬を塗布します。かゆみの症状が強ければ、抗ヒスタミン薬等の内服薬を使用することもあります。

かぶれ

かぶれとは

原因とされる物質に接触し、その部位に一致して湿疹がみられる状態が、かぶれです。正式には接触皮膚炎と呼ばれます。主な症状は湿疹と同じです。皮膚に赤みやブツブツ、水疱などがみられ、自覚症状としてかゆみ等も現れます。原因物質に関しては、植物(ウルシ、サクラソウ 等)、金属(成分として、ニッケル、クロム 等)、ゴム製品、洗剤、医薬品、食物(マンゴー、セロリ、ギンナン 等)など様々あります。

治療について

原因とされる物質が判明しているのであれば速やかに除去します。また皮膚症状を抑える治療としては、ステロイド系の外用薬を使用します。さらにかゆみの症状が強く出ているのであれば、抗ヒスタミン薬の内服薬も用います。

蕁麻疹

蕁麻疹とは

何の前触れもなく、突然一部の皮膚が虫に刺されたみたいに赤く盛り上がって、ミミズ腫れのような状態になります。このほか、強いかゆみもみられるようになります。ただこれらの症状は、数時間~24時間以内で消えるようになります。

原因については、食物等によるアレルギー反応、物理的な刺激(摩擦や圧迫、日光、温熱 等)、薬剤の影響など、特定しているケースもあります。ただ全蕁麻疹患者さんの7割程度は原因がはっきりわからない特発性蕁麻疹です。この場合、毎日のように皮膚症状が現れ、消えていくといった状態を繰り返します。なお発症から6週間以内であれば急性蕁麻疹、6週間以上続いていると慢性蕁麻疹と診断されます。ちなみに後者では、夕方~夜の時間帯にかけて症状がみられるようになります。

治療について

原因がアレルギーであれば、アレルゲンを避けられる環境づくりに努めます。また特発性蕁麻疹(原因が特定できない)の患者さんでは、抗ヒスタミン薬の内服薬を使用していきます。このほか、アナフィラキシーがみられるなどの重症例に関しては、ステロイド薬の投与をしていきます。

薬疹

薬疹とは

主に薬剤を内服する、あるいは注射を打つといったことで引き起こされる発疹(赤いボツボツが現れる、腫れる 等)のことを薬疹と言います。外用薬が原因の場合は、かぶれ(接触皮膚炎)の扱いになります。

発症の原因としては、大きくアレルギー性と非アレルギー性に分けられます。アレルギー性では、薬物に含まれる成分やその代謝産物が抗原(アレルゲン)となって、それを排除しようと免疫システムが働くことで発症するようになります。アレルギーには4つの型(Ⅰ~Ⅳ型)がありますが、薬疹ではⅣ型アレルギーのケース(多型紅斑型、固定薬疹、スティーブンス・ジョンソン症候群等の重症薬疹、播種状紅斑丘疹型 など)が多いとされています。また薬剤を摂取した後に日光にさらされることで薬疹を発症する光線過敏症型、薬剤そのものの作用(副作用 など)によって現れる非アレルギー性の場合もあります。

治療について

原因が判明しているのであれば、その薬剤の使用を中止します。また薬疹による症状(かゆみ 等)が強く出ている場合は、抗ヒスタミン薬やステロイド系の外用薬を使用します。また重症化しているのであれば、ステロイドパルス療法、IVIg療法、血漿交換などが検討されます。

帯状疱疹

帯状疱疹とは

これまでに水痘(水ぼうそう)にかかったことがある方のみが発症する病気です。水ぼうそうの原因である水痘帯状疱疹ウイルスというのは、一度体内に侵入すると体外に排出されることはなく、脊髄後根神経節などに潜伏するようになります。その後、過労やストレス、加齢などによって免疫機能が低下するようになると、同ウイルスは活性化し、体の左右どちらかの神経支配領域に沿って、ピリピリあるいはチクチクした痛みがみられます。その数日後には、痛み等の症状が現れた部位から、紅斑、水疱、かさぶたなどが現れます。これら皮膚症状は3週間程度で治まるようになります。

ただ高齢で同疾患に発症した、痛みや皮膚症状が重症だったという場合、いつまでも神経の痛みが残ってしまうことがあります。この状態が発症から3ヵ月以上続くと帯状疱疹後神経痛と診断されます。この場合は、痛みをとる治療というのも必要となります。

治療について

抗ウイルス薬による治療が中心となります。内服薬が大半ですが、重症の場合は点滴療法になることもあります。また疼痛を訴えている患者さんには、痛み止めとしてNSAIDs、アセトアミノフェン、神経ブロック注射などを行います。

帯状疱疹後神経痛の患者さんには、プレガバリン、三環系抗うつ薬などを用います。なお帯状疱疹に関しては、予防のためのワクチン接種も可能です。50歳以上の方、もしくは18歳以上の方で帯状疱疹を発症する確率が高いとされる方が、その対象となります。

マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎とは

マラセチアとは、毛包に常在する真菌(カビの一種)です。これが毛包内で過剰に増殖してしまうことで、主に胸部や背中あたりの部位にニキビによく似た赤いボツボツ(数㎜程度の紅斑丘疹)が毛穴に一致する形で多数発生するようになります。主な症状は、かゆみなどです(痛みはまれに現れることがあります)。同疾患は高温多湿な環境で起きやすいとされ、思春期の世代によくみられます。

治療に関しては、イミダゾール系の抗真菌薬の外用薬を患部へ塗布していきます。症状が強く出ている場合は、イミダゾール系の抗真菌薬の内服薬を使用します。

なおマラセチア毛包炎は、ニキビとよく似た症状ですので、胸や背中に発症したニキビと間違えることは少なくありません。ちなみにマラセチア毛包炎の患者さんがニキビの治療薬を使うと症状が悪化することがあります。胸や背中のニキビがなかなか治らないという場合は、一度当院をご受診下さい。